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【例文あり】未入金の催促電話のかけ方は?事前準備や関係を悪化させないコツを解説

未入金催促の電話のかけ方

ビジネスを行っていると、未入金トラブルにあうことがあります。悪意があるなしに限らず、一定数で起きてしまうものです。催促電話は十分に注意して行わなければ、信用を落としたり、最悪の場合は取引解消につながったりするケースもあります。そこで本記事では、催促電話前の事前準備の方法や、関係を悪化させない方法を解説します。

未入金の催促電話をかける前に!ミスや漏れがないか確認しよう

まず催促電話は最終手段として考えることが重要です。ミスや勘違いがないかを十分確認してから連絡する必要があります。ここでは電話前の注意点を紹介します。

既に入金されていないか確認する

自社側にミスがないのか十分に確認することが必要です。経理部門で未入金がわかり、取引先に問い合わせの電話をしたところ「既に入金している」という回答だった場合、自社の信用を大きく落とすことになります。謝罪をするのは当然として、最悪のケースでは取引先を失うリスクもあります。私のケースで考えても、入金したのに入金していないといわれれば、気分がよいものではありません。しっかり確認してから伝えましょう。

相手から入金に関する問い合わせが届いていないか確認する

相手からの連絡をしっかり確認することも重要です。何らかの理由で入金が遅れることはあります。金融機関のトラブルや機械的なトラブルで入金できないなど理由はさまざまです。普通の取引相手なら、トラブルで入金が遅れそうな場合は連絡をしてくれるはずです。連絡があったのに催促連絡をしてしまうとこちらも、気分を害しかねません。十分に確認してから連絡しましょう。

そもそも自社の対応に問題がないか確認する

そもそも相手の問題ばかりではなく、自社のミスを確認することから始めましょう。確実に請求できているのか、入金期限を勘違いしていないかなど、チェックすべきポイントは多くあります。私自身の立場で考えても、相手の確認漏れで催促電話がかかってきたら、イライラしてしまうと思います。一般的に、気分を害することは間違いないので気を付けましょう。

未入金の催促電話をかける際の準備

未入金催促の電話のかけ方

未入金における催促電話をする際には、事前準備が非常に重要です。相手をしっかりと知り、こちらも十分な対策を講じることで、スムーズな連絡が可能となります。

催促相手がどんな人・会社なのか把握する

まず催促する人や会社の情報を把握することが重要です。相手の情報を知らなければ、適切な対処はできません。支払い遅れの履歴がないか、クレームの履歴がないかはもちろん、年齢や性別、顔写真などもあればよいでしょう。実際に私もクレーム対応をしたことがありますが、年齢や性別、顔写真があるだけで心構えができました。なお、支払い遅れが多い場合は、与信限度の設定見直しなどの対策を講じるべきです。

伝える内容を明確にしておく

電話の最中で慌てないためにも、事前に伝える内容を確認しておきましょう。催促電話は何度もかけるものではなく、1回で終わらせる必要があります。最低限、以下の内容を確認することをおすすめします。

・支払い金額

・支払い期日

・支払い方法

上記の内容を前提に、それぞれ確認したい事項はリスト化しておくようにしましょう。

未入金の催促電話のかけ方・ポイント

ここでは実際に催促電話をかける際のポイントを解説します。

①クッション言葉を使い、謙虚な話し方を心がける

大前提として謙虚な姿勢を忘れず、クッション言葉を使いつつ話すようにしましょう。クッション言葉の例は以下のとおりです。

・差し支えなければ

・失礼ですが

・恐れ入りますが

・お手数おかけしますが

・お忙しいところ申し訳ありませんが

・説明が十分ではなかったかもしれませんが

・私どもの説明不足だったかもしれませんが

あくまでも低姿勢で、お願いのつもりで話すとよいでしょう。私自身の経験からいっても、クッション言葉の有無は相手の反応に大きく違いがあります。

②声のトーンは明るめに

催促電話は、相手を追い詰めているようになりがちです。そのため、意識的に声のトーンを明るめに心がけましょう。普段よりワントーン明るく、穏やかな口調を意識し、はっきりと発音すると聞き取りやすいです。

③相手を責めるような言葉・話し方はNG

催促電話とはいえ、相手を責めるようなやり方はNGです。「支払っていないのは御社ですよね?」「いつになったら支払いできるんですか?」などの責めるような言葉は避けましょう。あくまで電話の目的は約束を果たしてもらうことです。関係が悪化すれば、約束が果たせなくなるかもしれません。

 

未入金の催促電話に使える例文

未入金催促の電話のかけ方

ここでは催促電話に使える例文を、取引先とお客様それぞれに分けて解説します。

取引先への催促電話

取引先の場合、忘れているケースが多いです。今後のためにも、丁寧な電話を心がけましょう。

【電話内容の例】

お世話になっております。

株式会社○○の○○です。

いつも「商品名/サービス名」のご利用ありがとうございます。

本日お電話差し上げたのは、「商品名/サービス名」のお支払いの件です。

大変恐れ入りますが、○○日時点での入金確認が取れておりません。

行き違いでしたら大変恐縮ですが、こちらお支払いはいただけておりますでしょうか。

お客様への催促電話

お客様の場合、クレームにつながるケースもあるのでより慎重に行いましょう。

【電話内容の例】

お忙しいところ恐れ入ります。

○○株式会社の○○です。

いつも「商品名/サービス名」をご利用いただきまして誠にありがとうございます。

早速で恐縮ですが、○○日時点で「商品名/サービス名」の入金確認が取れておりません。

恐れ入りますが、支払いについてご対応いただけますでしょうか。

未入金の催促電話をした後の対応

未入金催促の電話のかけ方

未入金の催促電話については、実は電話した後の対応が重要です。今後の良好な関係のためにも、丁寧な対応を心がけましょう。

入金が確認できたら、お礼の連絡を入れる

入金が確認できたらお礼の連絡を入れましょう。お礼の連絡について考え方はさまざまですが、今後の取引継続のためにも連絡を入れるのが無難です。未入金が続く場合は別ですが、はじめての場合はこちらから連絡するとよいでしょう。

入金が確認できない場合は?

入金が確認できない場合には、毅然とした態度が求められます。主に以下の流れがあります。

・内容証明郵便を送る 

・取引先の同意を得て、商品を回収する  

・仮差押え手続きを行う      

・債権譲渡を受ける                    

・訴訟を起こす

まずは、内容証明郵便を送りましょう。送付自体に法的強制力はありませんが、訴訟や刑事事件として被害届を出す際に、提出が前提として進められます。また、取引先の同意のもとで商品を回収することも検討しましょう。回収に同意が得られない場合は、仮差押えになります。仮差押え手続きは、未払いにおける訴訟を行うまでに、取引先が商品を隠したり売却したりしないためにかける制限のことです。

債権譲渡は、取引先が保有する債権を自社に移転させることをいいます。たとえば支払いが滞っているA社が、自社商品を販売して得たA社債権を自社が代わりに得るという形です。A社から入金がなくとも、A社と取引をしている他社が自社にお金を支払うことで、未入金が回収されるという流れです。

最後に訴訟を起こす方法もあります。通常訴訟のほかに、60万円以下なら「少額訴訟」を起こすことも可能です。少額訴訟であれば弁護士に依頼せず自社で行うこともできます。

まとめ

未入金において催促電話する際は、まずは自社にミスがないか確認することが重要です。しっかりと事前確認、事前準備を行ったうえで、電話をかける際は低姿勢で謙虚に電話するようにしましょう。もちろん、電話をかけた後のサポートも重要です。

なお、そもそも未入金が起きないように対策することも必要です。「ペイド信用調査・請求書発行サービス」では、主に中小企業の信用取引に対するデータバンク共有サービスを展開しています。遅延・未払い企業に対する請求書の再発行や督促状の自動発行も行っているので、専門サービスに依頼することもおすすめです。