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信用調査では「3c」「4c」のチェックが重要!方法と中小企業の実態について
信用調査では「3c」「4c」のチェックが重要!方法と中小企業の実態について
「信用調査は具体的に何をする?」「重要と言われている3c・4cって何?」といった事業者様に向け、今回は信用調査の基礎知識、3c・4cについて解説します。信用調査の目的や方法に目を通し、調査の重要性について見ていきましょう。
調査しないことのリスクについても触れているので、自社の経営と照らしあわせながらチェックしてみてください。最後まで目を通すことで「信用調査の必要性」や「調査を始める方法」などが理解できます。
信用調査の目的 = 「3c」「4c」の確認
信用調査とは、支払い能力や債務超過の有無などを調査し、信用できるビジネスパートナーか確認することが主な目的です。具体的には、3c・4cと呼ばれる以下の項目を重点的に調査します。
<3c・4cとは?>
- Capacity (営業能力、取引量)
- Capital (資産、財務状況)
- Character (誠実性、責任感)
- Conditions (政治的・経済的事情)
上記のうち、1~3が3c、1~4が4cです。取引先の経営状況は、一つの側面のみを調査しても実態が掴めません。上記3~4つのポイントを中心に多角的な調査を行い、より正確な情報収集を行うことが重要です。次項では、1~4それぞれの意味・詳細について見ていきましょう。
①Capacity(キャパシティー)
「Capacity」とは、取引先の営業力や技術力などから、売上を確保できる能力があるかチェックする項目です。安定した売上を確保できていれば、売掛金が未回収になるリスクを抑えられます。
具体的には、以下のようなポイントからCapacityを調査しましょう。
<Capacityの調査ポイント>
・売上の推移
・販売体制の充実度
・金融機関からのヒアリング
・将来的な商品の生産や出店計画
急激な売上変動が確認できる場合は、その要因についても十分調査してください。売上が急激に伸びていたとしても、資金繰りや管理体制などに問題を抱えている場合はCapacityが不十分の可能性もあります。
②Capital(キャピタル)
Capitalとは、取引先の資本力や支払い能力などを含めた、財政状況を調査する項目です。Capitalを調査しておけば、売掛金の未回収が発生した際も回収の目途が立てられます。
具体的な調査ポイントは次のとおりです。
<Capitalの調査ポイント>
・担保余力や未払金の有無
・調査対象が持つ不動産の種類
「金融機関への未払金がある」「担保余力が認められない」といった場合、設備資金や運転資金などの資金需要に対応できない恐れがあります。
また、調査対象が豊富な不動産を所有していたとしても、山林や耕作地の場合は収益性が高くありません。宅地とは資産相場が異なるため、資産の種類についても調査しておきましょう。
③Character(キャラクター)
Characterとは、取引先が信用できる企業か調査するための項目です。具体的には、以下のポイントを調査します。
<Characterの調査ポイント>
・業界内の評判
・従業員からの評判
・他の取引先とトラブルを起こした過去があるか
・経営者の人間性や経営方針
上記のポイントから「誠実な対応を取ってもらえるか」「契約履行への責任感はあるか」などを確認しましょう。重要なのは、取引先としてのビジネス・金銭面における信用の有無です。
④Conditions(コンディション)
Conditionsとは、政治・経済的観点から見る、取引先の状況を調査する項目です。具体的には、以下のポイントを調査します。
<Conditionsの調査ポイント>
・業界内における成長性
・市場環境の安定性
・取引先が基盤としている国の情勢
取引先が海外企業の場合、国の情勢悪化により安定した取引ができない恐れもあります。市場や成長性も含め、安定した経営ができる環境かどうか調査しましょう。
【国内・海外別】「3c」「4c」をチェックする方法
「3c」「4c」をチェックする方法について、国内・海外別に見ていきましょう。取引先にあわせてチェック方法を変えなければ、正確な情報を得られない恐れがあります。
取引先が国内企業の場合
取引先が国内企業の場合、以下の方法で3c・4cをチェックします。
【国内企業への信用調査方法】
調査方法 |
内容 |
内部調査(社内調査) |
・取引先の関係部署から情報を得る ・従業員への面談 |
直接調査 |
・取引先への訪問や電話による調査 ・設備状況や在庫などを確認 |
外部調査 |
・取引先以外の企業や機関から情報を得る ・官公庁やオンライン上の公開情報など |
依頼調査 |
・第三者へ調査を依頼する ・自社だけでは調査しきれない情報を得る |
主な調査方法は上記の4つです。くわしくは『取引先企業に対する信用調査の方法とは?具体的な流れや期間をご紹介』でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
取引先が海外企業の場合
取引先が海外企業の場合は、以下4つの方法で調査します。
<海外企業の信用調査>
・相手企業の取引銀行に問い合わせる
・相手企業の同業者に問い合わせる
・OECDでカントリーリスクを確認する
・信用調査会社を利用する
次項から、各調査方法の詳細について見ていきましょう。
相手企業の取引銀行に問い合わせる
相手企業が取引している銀行に問い合わせ、資金繰りの状況や未払いの有無などを調査します。「取引銀行が情報を開示してくれるのか?」と疑問に思いますよね。その通りで、顧客への守秘義務により、情報を開示してもらえない可能性もあります。
日本の取引銀行も経由しつつ、情報を開示してもらえるか確認しましょう。
相手企業の同業者に問い合わせる
相手企業の同業者に問い合わせを行い、業界内での評判や過去のトラブルなどを調査します。相手企業へのヒアリングや公開情報ではわからない、客観的な信頼度を把握できます。
OECDでカントリーリスクを確認する
海外企業との取引においてカントリーリスクは無視できない要素なので、経済協力開発機構(OECD)の格付け情報を確認しましょう。OECDでは、各加盟国の情勢に基づいたカントリーリスクが数値化されています。
事前に情報を把握することで、政治・経済的要因による資産価値の変動や代金の未回収といったリスクを抑えられます。カントリーリスクは政治や経済、自然など複数の要因により起こり得るため、OECDなど公的機関から正確な情報をキャッチしてください。
信用調査会社を利用する
信用調査会社に依頼することで、相手企業の金銭的な信用や経営上の問題などを調査してもらえます。調査費用はかかるものの、客観的かつ短期間での調査が可能です。
国内にある、海外企業に対応している信用調査会社の例を見ていきましょう。
【信用調査会社の例】
会社名 |
特徴 |
東京商工リサーチ(ダンレポート) |
全世界(紛争地域を除く)の企業調査をカバー |
帝国データバンク |
信用調査も含め、コンサルティングや顧客データベース構築などのサービスも提供 |
コファス |
リスク予測や評価などのアドバイスも受けられる |
信用調査会社によって調査項目や評価基準は異なるため、必要な情報を得られる調査会社を選びましょう。
多くの中小企業が信用調査を実施できていない……。なぜ?
中小企業が信用調査をなぜ実施できていないのか、主な理由は次のとおりです。
<信用調査を実施できていない理由>
・審査を実施するためのノウハウやプロセスがない(実施したくてもできない)
・取引先から調査を嫌がられる
・取引代金の少ない取引先(リスクが少ない)については、審査や調査をパスしていた
信用調査を怠ってしまうと「他の取引先への支払いが滞る」「連鎖倒産を起こす」といったリスクが高くなります。自社での調査が難しい場合は、信用調査会社へ相談・依頼を行い、リスクヘッジに努めましょう。
まとめ
信用調査の実施により、相手企業が信用できる取引先か判断できます。今回ご紹介した「3c」「4c」を中心に調査を実施することで、相手企業の多角的な情報を得られます。
また、信用調査の方法は、相手企業が国内外のどちらを基盤にしているかによって異なります。適切な方法で正確な情報をキャッチしましょう。
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