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新旧の信用調査会社を徹底比較!調査方法と料金の違いとは

老舗大手のS社とT社の調査方法と料金などを紹介

調査

老舗大手信用調査会社S社とT社の調査方法はほぼ同じです。異なるのは、調査から得られた情報の評価方法と料金です。

S社の会社概要
S社は、1892(明治25)年に政府の主導によって創業を開始した、日本で最も古い信用調査会社です。当時は手形取引や信用取引が拡大しつつある時代で、欧米では既に信用調査を行う企業が活動していたことも政府が創業を急いだ理由でもあります。創業時には日本初の企業年鑑を出版し、1952年にはこちらも日本初の信用情報誌を創刊しています。企業情報データベースを開始して後の事業の礎を築き始めたのは、現社名に変更した1974(昭和49)年です。現在では、企業信用調査やデータベース事業の他にも、情報事業や出版事業なども展開しています。資本金は6700万円で、従業員数は約2000人。本社は東京都内に2カ所あり、その他の地域に81カ所の事業所が設置されています。

T社の会社概要
T社は、1900(明治33)年に興信所として創業した日本で最大手の信用調査会社です。1981(昭和56)年には現在の社名に変更し、本格的に信用調査会社としての事業活動を開始、その2年後には企業情報オンラインサービス事業をスタートさせています。現在では信用調査以外にも、電子商取引サービスやインターネット決算公告サービスといった事業のほか、景気動向調査の公表も行っています。株式会社ですが、上場はしていません。資本金は9000万円で、従業員数は3300名(そのうち1700名が調査担当者)です。東京本社の他に全国83カ所の事業所があります。

S社とT社の調査方法
S社とT社の調査方法は、対象企業への訪問調査が基本です。たとえば、B社と取引を行おうと考えているA社が、その信用調査をS社やT社に依頼したとします。依頼を受けたS・T社では、商業登記簿・不動産登記簿・入札業者登録といった公的情報を確認したうえで、B社に直接赴いて経営者などとの面談を行います。その席で経営状況や独自の技術力といった強みなどを聞き取り、信用に関する情報を収集していきます。そのうえで行うのが、B社の経営に関する課題の把握と克服するために必要な具体的な施策の提案です。また、B社の将来に対する考え方や展望を聞き取ったうえで、成長に役立つアドバイスも行います。

S社の評価方法
S社では、調査結果を国内企業情報レポートとしてまとめています。レポートには、調査対象企業の安全性や適切な与信額の設定枠といった、取引の有無を決断するうえで重要な要素となる情報が網羅されています。主な掲載情報は、全国のS社に所属する調査員によるヒヤリング結果、当該企業が一般に公開している全情報、同業界の動向などです。そのため、本レポートに目を通すことで、会社概要や沿革、代表者情報、主要取引先、資金状況、決算内容や財務内容に関する情報を得ることができます。

レポートでは、当該企業を評価ポイントとリスクスコアという2つの採点方式で評価しています。評価ポイント(100点満点)は、経営者能力・成長性・安定性・公開性といった定性的な観点から評価した場合の点数です。評価ポイントが高いほど優秀な企業であることを示していて、点数ごとに「警戒」「一応警戒」「多少注意」「無難」「警戒不要」という5段階の評価が与えられます。また、過去7世代分の評価がグラフ化されているため、当該企業の現状が過去と比較してどうなのかが理解できます。たとえば、当該企業の評価ポイントは平均点以上であったとしても、当グラフを見て年々評価が下がっている企業であることが判明すれば、取引を行わないとする決断も可能かもしれません。

もう1つのリンクスコア(100点満点)は、過去の倒産事例を詳細に分析することで12カ月以内の倒産確率を算出した評価基準のことです。スコアが低いほど倒産の確率が高くなります。評価ポイントと同じく過去7世代分の履歴がグラフ化されていますが、こちらは同業種の平均スコアも掲載されているため、当該企業と業界の平均との比較が可能です。また、リンクスコア別の倒産確率が示されているため、当該企業の倒産リスクが一目瞭然に理解できます。なお、レポートには評価ポイントとリスクスコアをもとに、当該企業をA(最高評価)〜F(最低評価)にランク付けしたマトリクス図も掲載しています。

T社の評価方法
調査によって得られた信用情報は、商業登記簿や不動産登記簿などの公的情報、Webサイトなどで公表されている一般的な情報、T社が保有している最新データなどと合わせて総合的な分析を行います。その結果をわかりやすく示したのが、T社独自の評価ポイント制度です。調査結果から判明した経営活動の健全性、支払い能力の有無、取引相手としての安全性などを、100点満点で評価しています。具体的には、調査結果を基に当該企業の業歴・資本構成・規模・損益・資金状況・経営者・企業活力の全7項目に点数を付けていきます。たとえば、業歴の場合は年数が長いほど得点は高くなり、経営者はキャリアが長く個人資産が多いほど高得点が得られるといった具合です。

T社の評価ポイント制度における平均は40点程度ですが、同点だからといって信用度が同程度とは限りません。評価ポイントは同点であっても、各企業はさまざまな課題を抱えていて、その経営状況は一律ではないからです。そのため、経営状況によって急激に変動する可能性がある当該企業の評価ポイントは、継続的にチェックしておく必要があります。調査結果と評価ポイントは、依頼先企業に渡される信用調査報告書と、T社のデータベースで公開されています。

S社の料金
国内企業情報レポートの作成(新規調査)の依頼と、過去のレポートのコピーを利用した場合の料金は次の通りです。
・レポート費:5万円+付帯料金
・コピー費:5万円(調査から2カ月以内)、4万円(調査から2カ月経過)

なお、レポート費の付帯料金は、調査の交通費や登記の手数料などの実費が請求されます。

T社の料金
T社では、調査会員に申し込んだ顧客に「調査問合票」が発行されます。本問合票1枚で1社の信用調査を依頼できます。料金は次の通りです。
・5枚:12万円
・9枚:20万円
・15枚:30万円
・27枚:50万円
・63枚:100万円
・99枚:150万円
・150枚:225万円

上記の価格はすべて本体価格です。有効期限は、申込月または翌月から1年間となっています。また、調査対象企業が調査を担当するT社の事業所と同市内や東京23区であれば無料ですが、それ以外の地域は有料です。出張料金は地域によって異なるため、依頼の際の問い合わせが必要になります。なお、過去の調査報告書のコピー料金は、調査完了後2カ月未満の報告書は2万4000円(調査問合票1枚)、2カ月以上の報告書は1万2000円(調査問合票0.5枚)です。

新興企業P社の調査方法と料金を紹介

新興企業のP社は、老舗大手2社とは異なる調査方法が特徴の信用調査会社です。

P社の会社概要
P社は、2008(平成20)年に創業したソフトウェア制作会社が運営する信用調査会社です。当制作会社では、ソフトウェア制作事業のほかにも、パッケージソフトの販売・レンタルやコールセンターの運営事業などを展開しています。資本金は1000万円で、東京都に本社を構えています。

P社の調査方法
P社の顧客の多くは中小企業です。中小企業では、他社との取引において多くの課題を抱えています。その課題の1つが、新規と既存の取引先への信用調査です。取引先を増やす際に必ず信用調査をしたり、既存の取引先に定期的な信用調査を行ったりすると多額のコストが発生します。このようなコストを捻出するのは困難なため、多くの中小企業が信用調査をせずに取引を行っているのが現実です。その結果、取引代金や売掛金の支払い遅延や回収不能によって、多額の損害をこうむっている中小企業も少なくありません。P社では、当社が開発した独自のソフトウェアを使って信用調査を行っています。そのため、老舗大手以外の選択肢が少なくコストもかさみがちな信用調査を、誰もが簡単に格安なコストで利用できます。

ソフトウェアの使い方
P社が開発したソフトウェアは、取引先の会社情報をWebサイトのフォームに入力するだけで信用調査が行えます。該当企業の情報がデータベースに存在していれば表示されます。使い方は次の通りです。まず、P社の信用調査ソフトウェアを利用するための無料会員登録(1クリックで退会可能)を行います。登録完了後にログインするとソフトウェアの会員ページが表示され、信用調査が行える体制が整います。調査したい取引先の情報は手入力でも可能ですが、数が多い場合にはCSVを利用しての一括アップロードも可能です。

取引先の情報を入力したら、ソフトウェアが自動でP社独自のデータベースにアクセスして情報を検索、10分程度で結果を通知(メール)してくれます。一度登録された取引先は以後も自動でモニタリングされ続け、当該企業に支払いの遅延が発生した場合には「遅延情報取引注意」情報が、その後に未払いの状態が確認されると「代金未払い情報確定」通知が即座に送信されます。また、遅延がないホワイトな企業の情報や点数化された評価も通知されるため、新たな取引先探しに役立てることも可能です。

なお、P社の信用調査には取引代金の遅延発生を会員ページから報告することで、請求書や督促状の郵送を自動で行う機能がセットされています。また、売掛金が支払い遅延状態になった場合にも同様のシステムが利用できます。

P社の料金
P社のソフトウェア利用料金はサブスクリプション制で、取引代金や売掛金の回収サービスとセットになっています。詳細は以下の通りです。
・1アカウント当たり:2000円(月額)
・子アカウント:250円(1日)
・遅延金回収の報酬:1000円(成功)、無料(失敗)

なお、請求書再発行時に当該企業に再発行事務手数料1000円を請求するため、実質的に成功報酬を会員が支払う必要はありません(初期設定で会員負担にすることも可能)また、郵便代金や手数料も一切無料です。

ご利用前にアカウントの登録が必要です。こちらのアカウントで全てのサービスをご利用頂けます。このサービスは企業様専用のサービスとさせて頂いております。個人、個人事業主の方はご利用頂けません。

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