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信用調査会社が用いる調査方法とは

信用調査の必要性と調査の手法

経営を順調に進めるために必要なことの一つとして、信用調査があげられます。例えば商品の売買を行う場合、即金で決済するというよりも、取引が成立した後に一定期間の取引金額をまとめ、合意した期限までに金銭の授受を行うというケースが一般的です。掛けによる取引を安心して行うためには、取引相手への信用がカギとなります。事前に信用調査を実施しておけば、取引に関するトラブルを未然に防ぐことにつながるため、信用調査のニーズは増しています。では、多くの企業が利用する信用調査会社の調査は、どんな方法で行われるのでしょうか。

信用調査会社が実際に行っている手法は大きく分けて4つあります。その一つが、社内調査です。社内調査は、別名、内部調査とも呼ばれ、他の調査を始める前段階として実施します。実績のある信用調査会社であれば、社内に蓄積された膨大なデータを有しています。その中から、調査の対象となる会社の情報をピックアップすることは、比較的容易です。加えて、調査対象の会社と取引していた企業との関係を調べることで、必要な情報を得ています。

直接調査も、信用調査会社がよく行っている方法です。調査対象となっている企業を直接訪問するほか、電話やメール、FAXなどを用いることもあります。この方法の利点は、信用調査のプロである調査員が、直接目にしたこと、耳で聞いた情報から判断する点にあります。今現在、その企業がどんな状況に置かれているのかなど、リアルタイムの情報は、インターネットで調べるだけでは不十分な場合が少なくありません。そのため、直接調査に重きを置いている信用調査会社が多いのは、うなずけます。

信用調査会社では、外部調査にも力を入れています。情報源の一つとなっているのが、官公庁が出している公開情報です。法務局で閲覧できる商業登記簿や不動産登記簿を見れば、商号や本店所在地を不自然に感じるほど変更していないか、チェックできます。また、資本金の増減や債権譲渡・質権設定などの調査も可能です。不動産登記簿からは、所有権の動きや抵当権の状況を見て、経営や取引にのぞむ姿勢を情報として得ています。インターネットの情報も、他の情報との整合性を図る重要な指標です。入手した情報の裏付けをとる調査も実施します。例えば、本社や支店を構えるテナントのオーナーに直接話を聞くことで、紙面やネットの情報にはない、信頼性が高い情報を得て判断に用います。

第三者に依頼する調査も、信用調査会社で活用されている方法です。第三者への調査依頼には、調査先の取引会社やその関係先などに行う「照会調査」と、他の調査会社に依頼する「依頼調査」があります。この2つの方法をバランスよく使うことで、調査先企業の正確な情報を得やすくなります。

では、信用調査会社は、どんな点に重きを置いて調査しているのでしょう。まず一つとして、該当の会社やその経営者の信用を重視します。ステークホルダーに対して誠実な対応を心掛けているか、特に取引先や金融機関など、金銭面でかかわりが深いところとの関係でトラブルが起きていないか調査します。調査を通して明らかになる会社の顔、経営姿勢は、健全な財政運営が今後もされるかどうかを判断する指標となります。

信用調査会社が重視するポイントの2つ目が、収支とそれを取り巻く状況です。売上の伸びだけではなく、売上を確保するための生産設備や販売システムが構築されているかどうかも含めて調査します。また、従業員の大量解雇や支店の閉鎖、不祥事などは、業績に大きな影響を与えるため、注視します。トレンドとなる情報をいち早く入手するには、調査対象企業が所属している業界の情報入手も欠かせません。

信用調査会社が調査の重点ポイントとしている3つ目が、資産と財務状況です。これは、決算書を入手して、現預金や売掛金など流動資産の状況を見るとともに、貸し倒れや不渡りが発生した場合に、担保となる資産がどれだけあるか調べます。そして、調査対象となっている会社が、すでに貸し倒れなどの損害を被っている場合、資金繰りに不安が生じていないかも含めて、調査が行われます。

信用調査のニーズが高まっているため、信用調査を手掛ける会社の数も増加しています。信用調査会社は、総合信用調査会社と、専門信用調査会社の2種類に分かれます。一般的な信用調査は前者で十分ですが、より詳細な信用情報を得たい場合は、専門性の高い会社を選ぶとよいでしょう。信頼できる調査会社を選ぶ見極めポイントの一つとなるのが、価格です。いくつかの調査会社に問い合わせて、相場価格を提示した会社を中心に考えます。信用調査の納期は、新規の取引の場合、2週間から4週間程度です。その範囲で、報告までの期間が、自社が希望する時期とずれがないことも重要です。また、報告書のわかりやすさという視点で選ぶこともできます。

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